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当社の専務が日頃の勤務で感じたことや、エピソードを書きつづります。

そして伝説へ

一流ダンサーのラストダンスに
昨夜突然幕が下ろされました。
万雷の拍手と惜別の賛辞に包まれながら。

そのダンサーの名前はイチロー。
そう、本人もこだわった『カタカナ』のイチロー選手です。

今回の日本ツアーへの出場が決まった時から
なんとなくそんな気がしていましたが、
いざ本当にその時を迎えてみると淋しさしかありません。

しかしこんな舞台を整えてくれるなんて
メジャーリーグ(マリナーズ)も粋なことをしますよね。
一人の日本人プレーヤーのために、
公式戦(しかも開幕戦)を引退試合として用意するんですから。

まぁ、イチロー選手だから許されることなのでしょうが。

前にも書きましたがイチロー選手のプレーは、
野球という競技が持つ『絶妙な距離感』を感じさせてくれました。

「何でもない内野ゴロを内野安打にできるかどうか」
「一瞬の隙を突いて次の塁に進めるかどうか」
「次の塁を陥れようとする相手走者を捕殺できるかどうか」等など・・・。

このフィールド上でなければ展開されない紙一重の差を
自身のプレーで埋め続けることができる稀有な存在でした。
だからこそ彼の一挙手一投足から目を離せられないんですよね。

もうそれを目にすることができないなんて・・・。

昨日の深夜の引退会見も特別なものになりました。
最後だから特別サービスだったのでしょうか、
言葉を選びながら一つ一つの質問に丁寧に答える姿がとても印象的でした。
逆にあまりの饒舌ぶりに寂寥感が増幅させられましたが。

そんな会見の中のやり取りで私の心に引っ掛かったのは、
彼のこんな言葉でした。
「明日もトレーニングはしてますよ」

その言葉を耳にしたとき、
私にはある伝説的な選手の名前が浮かんできました。

その選手の名前は、榎本喜八氏。
日本で初めて『安打製造機』の異名をとった選手で、
1000本安打と2000本安打の最年少達成記録保持者です。

私は氏の現役時代を観たことはありませんが、
その人となりやプレーぶりは色んな書物で目にしてきました。
それぐらい逸話が多い選手だったのです。

そのなかでも出色なのは、
氏が現役引退した後も自宅から球場(東京スタジアム)まで
一日おきにランニングを続けていたということです。

周りからは「現役復帰を目指している」とか、
「コーチ就任要請を受けようとアピールしている」とか噂されましたが
実際のところはそういう事実はなかったようです。

結局氏は亡くなるまで野球界とは一切かかわりを持ちませんでした。
あの『名球会』にも一度も顔を出さなかったので、
仕方がなく脱会扱いになったぐらいです。
そんな謎に包まれた後年も氏の『伝説度』を上げているようです。

独特なバッティングフォーム。
独自の打撃理論。
求道者のようなストイックさ。
『異端』、『奇人』とまで呼ばれるぐらいの頑固さ。

どこか二人が通じるような気がするのは私だけでしょうか。

「好きな野球を精一杯やり続けて辞めたらスパッと縁を切る」
私はこれも『アリ』かなと思います。
彼の人生ですから彼自身の決断を尊重すべきでしょう。

『平成』という時代を駆け抜けた稀代のベースボールプレーヤー、
イチロー選手。

・・・、そして、彼は、伝説に、なる。





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[ 2019/03/22 18:51 ] スポーツ | TB(0) | CM(0)

road movie

このところお天気が目まぐるしく変わりますね。
今日が晴れのち雨、明日の予報が雨のち晴れです。
季節まで先を急ごうとしているのでしょうかね。

さて前回お伝えしておりました身内のお祝いごとですが、
妻の実家の家族25名が四世代にわたって一堂に会するという
とても賑やかで楽しい会でした。

あまりにも楽しすぎてあっという間に時が過ぎてしまった感があるので
個人的には『奇跡の一夜』と勝手に名付けております。

また懸案であった翌日の娘の競技会も
午後からの参加でよかったので比較的ゆっくり過ごすことができました。
まぁ、そのあとがいろいろ忙しかったのですがね(笑)

さて今回は最近映画館で観た2本の作品について。

1本目は今年度アカデミー作品賞を受賞した、
話題の『グリーンブック』です。
さすがに作品賞を獲るだけあって佳い映画でした。

舞台は1962年のアメリカ。
天才的な黒人ピアニストの運転手を務めることになった
クラブの用心棒をクビになったばかりのガサツなイタリア系白人。
一見相容れないような二人ですが、
人種差別が色濃く残るアメリカ南部へ演奏ツアーに出かけます。

秋から冬にかけて南部へ走らせる車の周りを彩る
樹々の美しさと対比するかのように吹き荒れる人種差別の嵐。
そんななか肌の色を越えて深まっていく二人の男の友情。

笑いあり感動ありで、
極上の『road&buddy movie』であったと思います。

そしてなぜか映画を観終わったあと、
ケンタッキーフライドチキンを食べたくなってしまうという・・・。

この作品をご覧になった方にはご理解いただけると思いますよ(笑)

そして2本目は『運び屋 (THE MULE)』です。

ここ最近は毎回「コレが最後」と思い覚悟して観る、
クリント・イーストウッド監督作品です。

しかも今回はあの『グラン・トリノ』以来の監督兼主演、
役者として出演するのも『人生の特等席』以来となります。
そりゃぁ更に気合いも入るってもんです(笑)

仕事(百合農家)ばかりに精を出しながら結果的に事業に失敗し、
挙句の果てには家族にも見放されてしまう90歳近くの男。
そんな彼があるきっかけでメキシコの犯罪組織が関わる
ドラッグの『運び屋』を務めることになります。
本人はそういう危険な仕事を請けているとは知らないうちに。

結局本人も仕事の中身を知ることになりますが、
安全運転ですし自由気ままに寄り道をしたりするので誰も彼を疑いません。
しかし組織のトップが変わり段々と仕事がエスカレートしていきます。
そんななか麻薬取締局の捜査も進んでいきます。
果たして彼の運命はどうなってしまうのか・・・。

・・・という感じのストーリーが、
クリント・イーストウッドの渋い演技と共に進んでいきます。
いや、もはや演技かどうかもわかりません。
それぐらい役がハマっていたと思います。

この作品も『road movie』の一種かもしれませんが、
私には『人生』を表す『road』の意味合いが強いと感じられました。
主人公に投影したイーストウッドの人生も含めてですね。

作品ラストの台詞とバックで流れる曲の歌詞。

「いくらお金を持とうとも時を買うことはできない」
「老いに迎合するな、老いを受け入れるな」

今のイーストウッドの本音と覚悟を感じ取ることができました。

非常に良い作品であったと思います。

「やっぱり好きだなぁ、イーストウッド・・・」
「一体いつまで観られるのだろうか・・・」




[ 2019/03/18 18:18 ] 趣味嗜好 | TB(0) | CM(0)

サクラサク

3月も早や折り返しとなりました。
相変わらず気忙しゅうございます。

それにしても最近よく交通事故を目にします。
今日の夕方には会社の前で当て逃げがあった模様です。
ぶつけられた側の方のドアミラーとホイルキャップが
先ほどまで道路上に散乱しておりました。

ウチの社員を含め目撃者が多数おりますので
ぶつけた方も戻ってきてほしいところです。
逃げちゃダメですよ、逃げちゃ。

いやぁこの件も含めて最近アクシデントが続いていたのですが、
久しぶりに明るい話題が飛び込んできました。

ウチの会社の入社8年目の社員が、
『1級ガラス施工技能士』の試験に一発で合格したのです。

その通知が本日彼の手元に届きました。
ピラッとしたハガキ1枚なのですが、
とても重たくて価値のある報せです。

一足早く「サクラサク」ですよ。

当地長崎には組合が無いので、
昨年の秋以来毎週のように福岡まで講習に通っていました。
その努力と苦労が報われたということです。

「ホントに良かった!」

今後は『主任技術者』として堂々と現場を仕切ってほしいものです。
「諸々期待しておりまーす!」(笑)

さてさて明日は身内の祝い事が小浜温泉の旅館であります。
久しぶりに家族揃っての泊りのお出かけとなります。
妻のご兄弟が勢揃いとなりますので楽しい集まりになりそうです。

そんななか翌日曜日の朝に、
娘の部活関係の大会があるなんて噂もチラホラ・・・。
小浜から小江原までどれくらいかかるんだろう・・・。

「あーぁ、せっかくならゆっくりしたいなぁ・・・」(笑)



[ 2019/03/15 17:57 ] 仕事 | TB(0) | CM(0)

8年

今日の長崎は一日中冷たい雨でしたが、
夕方には思い出したかのようにお日様が顔を覗かせました。
あらためて『三寒四温』とはよくできた言葉ですね。

さて『東日本大震災』から今年で8年が経ちます。
あの日の東北はこれよりもずっと冷たい雪が降りました。
絶望に追い打ちをかけるような寒さだったと記憶しております。

この年月を経て何かが変わったのかもしれませんし、
何も変わっていないのかもしれません。

私は少しでもあの日の記憶を辿ろうと、
今年に入って1冊の本を読了しました。

在日して20年にもなるイギリス人ジャーナリストが
6年の歳月を費やして記したルポルタージュ、
津波の霊たち 3.11 死と生の物語』です。

昨年1月に出版されていて各所の書評で絶賛されていたのですが、
なかなか入手できずやっと先日読み終えることができました。

この本には二つの視点からあの災害が描かれております。

一つは津波によって多くの幼い命が一度に失われた、
石巻市立大川小学校の悲劇。
そしてもう一つはあの日以来彼の地で目撃される
『霊的現象』の検証です。

その二つの事象を長期間にわたり丁寧に取材することによって、
東北という土地の独特な風土や地域性へ畏敬の念を示すと共に、
今の日本に漂う社会環境への警鐘を織り交ぜながら
『外国人』ならではの客観的な視点で
あの日とあの日から始まったことが克明に綴られております。

この本を読むことであらためてあの自然災害の凄まじさを痛感し
時が経っても消えることのない爪痕が私の心にまた刻まれました。
「あの日を絶対に忘れてはならない」と。

・・・・・・・・。

弊社は今年もあるチャリティーイベントに協力いたします。

3月9日(土)に『長崎歴史文化博物館エントランスホール』で開催される
『~震災による孤児・遺児のための~チャリティーコンサート』です。

詳しくは以下のチラシの画像をご確認ください。
2019チャリティーコンサートチラシ

このイベントも今年で8回目を数えます。
ということはあの時から毎年続けて開催されているということです。

何ごとも続けることが大事だと思います。
どうかお時間のあられる方は是非ご来場いただき、
募金にご協力いただきますようお願いいたします。

時と共に記憶は薄れゆくかもしれません。
それでもこの季節にあの日を思い返すことだけは、
これからも絶対に続けていきたいと私は心に誓いました。

絶対に。


[ 2019/03/06 17:47 ] 日記 | TB(0) | CM(1)

the REAL

3月になりました。
気候も段々春めいてまいりました。
いよいよ「球春間近」という感じでしょうか。

さてさて『平成』という時代も残り2ヶ月となりました。
あとひと月もすれば新元号が発表されます。
段々せわしくなってきますね・・・。

各メディアもこの時代を振り返る特集を組み始めました。
日曜夜の某スポーツ番組も4週にわたって、
シリーズ『平成史』というタイトルで各種スポーツを振り返りました。

一週目はオリンピック、
二週目はサッカー、
三週目が大相撲で昨日の最終週が野球でした。

スポーツのジャンルで平成という時代にどのような出来事があったのか、
またどのように進歩(後退?)してきたのかを
貴重な映像と共に振り返ることができて非常に観応えがありました。

個人的には先週の大相撲が圧巻でした。
「『八百長疑惑』なんてあったのか」と思わせるほど
名勝負ランキングで紹介された取組は鬼気迫るものがありました。

特に19位で紹介された平成10年名古屋場所での
武双山対千代大海の一番
お互い壮絶な張り合いでもう完全に格闘技でした。

死闘の末千代大海を突きだした後に武双山が血飛沫を吐く姿に
思わず声を上げてしまったぐらいですよ、
「カッチョいいーっ!」って(笑)

いやぁ、あの頃は熱かった・・・。

というわけで昨日の野球の話題に移るのですが。

名場面の1位が平成21年WBC決勝での、
イチロー選手の決勝タイムリーヒット。
そして平成を象徴する選手の1位もイチロー選手でした。

まぁ、当然と言えば当然の結果ですよね。
いくら天邪鬼の私でさえこれは認めざるを得ません(笑)

そんなイチロー選手ですが、
私には決して忘れることができない思い出があります。

平成12年に長崎で開催された、
サンヨーオールスターゲーム(当時)での一コマです。

セントラル・リーグがホームラン攻勢で圧倒するなか、
五十嵐選手との真っ向勝負でライトスタンドギリギリに打込んだ
『意地の一発』については以前この場でも記しました。

私がそれよりも印象に残っているのは、
実は試合前の一シーンなのです。

試合前に彼は外野スタンドの下を悠然と歩いていました。
そんな彼にグローブをはめたある少年ファンが声を掛けます。
恐らく「イチロー選手、ボールを頂戴!」と。

そして最初は無関心を装っていたイチロー選手が
おもむろにその子に向かって山なりのボールを投げ始めました。
この投球が実に絶妙だったのです。

その少年がフェンスから身を乗り出して
捕れるか捕れないかの微妙なところに投げてあげるのです。
低すぎたらその子は転落の恐れがあったかもしれません。
また簡単に捕れるボールならそれに他の子供たちも殺到して
スタンドがパニックになっていたかもしれません。

それを微妙に察したのかイチロー選手は、
「このボールを捕れるならどうぞ君にあげるよ」っていう感じで、
絶妙なところに投げてあげるのです。
「そう簡単にはあげないよ」という彼特有の茶目っ気も込めてですね。

その少年ファンも最初の方は取れませんでしたが、
最後はイチロー選手の投げたボールを見事にキャッチできました。
彼にとっては一生の宝物になったことでしょう。
翌年以降イチロー選手は海を渡ってしまったのですからね。

イチロー選手なりに工夫したファンサービスのやり方。
そして彼にしかできないボールコントロール。
「ここに野球を愛する本物のプロがいる」と感じた瞬間でしたよ。
彼こそが、『the REAL』であると。

そんな彼がこの春日本にやってきます。
恐らく最後の雄姿になるかもしれません。

できれば開幕戦に出場してほしいものですね。
「Batting first, right fielder,
number fifty-one, Ichiro---- Su--zuki----!!」
の場内アナウンスに呼ばれて。

可能な限り彼の一挙手一投足を目に焼き付けておきたいと思います。
平成という時代を駆け抜けた『the REAL』としての彼を。




[ 2019/03/04 18:35 ] スポーツ | TB(0) | CM(0)
プロフィール

川添硝子

Author:川添硝子
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